ブックオフ・ニューヨーク店(嘘バレ)

「ヘイ、ジャップ」
2月のマンハッタン。一人のデブが近づいてくる。
「俺はLUCKY STARからのオールド“モエ”オタクだ。好きなのはコナタ。やつの尻を見たことがあるか?たまンねえぜ。ジャパンでは今何が流行ってんだ。教えてくれえねか。」
俺は思わず舌打ちする。
「なにが“オールド”だ。クソデブ。どうせお前も“Kiss manga”で読んでるンだろう。」たじろぐデブ。顎と腹がブルブルとふるえる。
「だってステイツでは出版されないし…」
「それはイリーガルだ。ブックオフでTACHIYOMIしろ…。これは“合法”だ。」
俺はこれから行く予定だったニューヨーク店に、このマイク“クソデブ”ハガーを連れて行くことにした。
「なぁ、あンた。こう見えても俺は健康には気を使っているンだ。毎日レタスを食べてるし。」
「…イリーガル・デブなうえに嘘吐きか。最低だな。前世で何をやった。」
「…。」

入口のフィギュア・コーナーには、名物浮浪者“クッキー・モンスター”が陣取っている。ひどい臭いだ。1Fはアメコミコーナー、2Fはジャパニーズ“モエ”コーナーが広がっている。スパイダーマンX-MENにはじまるMARVEL、それにDC(電撃コミックスではない)。棚の隙間にはビッチリとデブがひしめいている。ナードの波を素早くサーフする俺を見て、奴らは噂する。
「見ろ、ジャパニーズだ…!」
リスペクトと畏怖、そして憧れが入り混じった脂まみれのキッタネエ視線。
「スゲえ、みんながお前のことを見ているゼ!」
「…。」

階段を上りジャパニーズ“モエ”コーナーにたどり着く。
LUCKY STARだけじゃねえ!ゆゆ式ごちうさ…!」
大量のMANGAを目の当りにしてロッドを硬くするハガー。
「コレがジャパニーズ・ドリーム…」
「…あずまんが大王を読め。」

ここはブックオフ・ニューヨーク店。“合法で”ジャパニーズ・マンガが立ち読めるオタク・カルチャーのメッカ…。

ブックオフニューヨーク支店に行ったレビューを、漫画トロピーク冬コミ会誌の個人寄稿枠で書く予定です。