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書評ではなくて毛の話。北尾トロ「君はヒマラヤ下着の凄すぎる実力を知っているか」。

2016/01/06 21:44

北尾トロ「君はヒマラヤ下着の凄すぎる実力を知っているか」を図書館で借りてきた。すごく面白い。まず「ひだまり ヒマラヤ」で画像検索して、そこで出てくる画像を見てほしい。男らしい肌着の広告を。確かにこの広告は雑誌に載ってた覚えがある。この一番前の人は植村直己さんだと思い込んでたんだけど、改めて見て全然違う人だった。それで、これを北尾さんが実際に買って雪山でレビューする話と、「私の志集」っていう新宿で詩集を手売りしてる人の話が特に良いなあと思って読んでた。

ここからは全然この本の話ではなくて、この本を自分の前に借りた人間が糞みたいなヤカラだという話。この借りてきた本に、ページをめくるたびに短い毛が挟まっているのだ。鼻毛かヒゲかわからんが、毛がページの上に踊ってるのは本当に気持ち悪い。ゲンナリする。前の読者が読みながら、毛を抜いて、挟んでいたらしい。勘弁してくれ。116ページあたりは特に量が多くて、そのまま潔癖症になっちゃいそうなほど気持ち悪くて、これ以上見てらんないよと本を閉じた。そのまま封印を解かずに返しに行こうとも思ったんだけど、図書館にこのまま返しても、司書さんたちにチェックされて、万が一にも俺が鼻毛野郎と思われるのも嫌だし、司書さんたちに返却する際に「この本に鼻毛が挟まってるんですよ困りますよねホラホラ」ってしたら、きっと司書さんたちは毛を取り除く作業をしなくてはならなくて、じっさい年明けで忙しいはずだし、そのうえで更にこんな汚い仕事ひっかぶるのも嫌だろうし、ここはやっぱり俺(平日に図書館にくるほど暇な無職)の出番なんじゃないかなあ、って全ページを点検してティシューで丁寧に毛を取り除いた。本がカアイソウっていう乙女心は別にないんだけど、めくるたびに毛が表れやしないだろうかビクビクするのは、くだらないけど結構に心が磨り減る。毛根がネットリとこびりついて取りにくいところは、消毒の気持ちを多少なりとも込めてファブリーズを湿らせて拭ったけど、毛根の跡がちっとも取れなかった。最悪だ。

なんとなく毛の本数をページごとに数えて、散布図にした。横軸がページ番号、縦軸が本数。ページはP116からあとがきまで本数を示している。P116の前までは取り除きながら読み進めていたので数が不明のためだ。白髪交じりだったので、項目を白と黒と合計値に分て示した。写真も撮ってあるが、気持ち悪いので載せない。毛は合計で45本あった。

ぼーっと散布図を見てみる。P196あたりの1本はノイズと見なしちゃえば、ピークが4度(P116、P166,P216、あとがき)見られる。P116の本数が最大で、筆者がバンジージャンプを決意し実行するエピソードが見られる。P166あたりからは人生相談のコーナーが始まっている。P216は柏木氏にまつわるエピソード。あとがきはあとがき。最初の3つのピークには周期性があるようにも見える。50ページほど読むたびに、一度休憩がてら毛を抜いているのではなかろうか。本数が徐々に減ってるのは、抜くたびに毛のストックも減っているということなんだろう。周期から判断すると、P260前後でも抜くはずだが、そうでなかったのはなぜだろう。P260というのは、残り10ページ程度で本書は読み終わるので、ここではもうひと踏ん張りして読み終わり、あとがきを読みつつゆっくりと抜いたのだろう。ただし、あとがきは最初に読む派というのも居るので、断定できない。最後に読んだなら毛の本数が前より少ないはずだが、なかなか背の高いピークを見せているので、あとがきは最初に読んだ可能性も十分だ。しかし一番気になったのは、図ではわからないんだけど、あとがきには本書は「キミは他人に鼻毛がでてますよと言えるかデラックス」を基調に収録しており本書から漏れた原稿を「鼻毛2」として出そうかという話が書かれている。この「鼻毛2」の文字に毛がナスリつけられていた。頭がくらくらする。この毛はあまりにも意図的すぎる。前の読者は無意識じゃなくて意識的に毛を本にくっつけていた可能性が高いというのがわかった。コイツめ…。

翌日。サア綺麗になったし読み進めるぞ!と思っても、やっぱり毛根べっとりの跡がどうしたって目に入る。気が滅入るなあ。ということで、読み終わらずに返却してきてしまった。新刊でかうかなあ。